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インクリメンタリティ測定の基礎:Intent-to-treat、PSA、Ghost Bids

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インクリメンタリティ測定の基礎:Intent-to-treat、PSA、Ghost Bids

経済学者のチャールズ・グッドハートは、格言の中で核心を突きました。この法則の一般的な応用例として、2人の作業員が釘を作るよう依頼されたとします。一人は作った釘の本数で、もう一人は作った釘の重さで評価される場合、結果はどうなったでしょうか?一人目の作業員は1000本の釘を作りましたが、二人目の作業員は重い釘を数本作っただけでした。彼らのパフォーマンスに対するインセンティブは、その目標に直接結びついているからです。

モバイルマーケティングでも同様の現象が見られます。業界全体でパフォーマンスKPIへの注目が高まるにつれ、新しいアトリビューションモデルが登場していますが、それに伴いフラウド、カニバリゼーション、ラストクリックの奪取といった問題も顕在化しています。グッドハートの法則が示すように、「誤った指標」は「誤ったインセンティブ」につながり、最終的に広告主たちはこう問い始めます。「自分の広告費が、実際にどれだけの増分収益を生んでいるのか?」

この問いに答えるには、広告費と収益の因果関係を正しく把握する必要があります。よく使われるアトリビューションモデルは手軽ですが、「相関関係」はあっても「因果関係」を証明するものではありません。いわば「相関は因果を意味しない(Cum hoc ergo propter hoc)」という問題です。

医学分野の手法を広告に応用する

ここで登場するのがランダム化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial)です。RCTはさまざまな科学分野で広く用いられており、特に臨床試験においては、新薬や医療機器、治療法などが被験者にどのような影響を与えるか(好影響・悪影響・影響なし)を検証するために活用されています。

リターゲティングでは、投薬の代わりに広告を試す

RCTでは、被験者をランダムに2つのグループに分け、一方には新しい治療(テストグループ)を施し、もう一方(コントロールグループ)には何も施しません。そして、テストグループに見られた変化を「治療の効果」として捉えます。この因果関係を科学的に証明するRCTの考え方は、モバイルリターゲティングにおいても応用可能です。ここで言う「治療」は「広告」であり、対象ユーザーをテストグループとコントロールグループに分け、テストグループには広告を配信、コントロールグループには配信しません。広告接触によるユーザー行動の変化を観察することで、モバイルマーケティングの効果をバイアスなく計測することが可能になります。

このようなインクリメンタリティ測定には複数の手法が存在しますが、それぞれ「コントロールグループに何をするか」「結果をどう解釈するか」によって異なります。

インクリメンタリティ測定における代表的手法

Intent-to-Treat(ITT)

コスト不要・実装が容易だがノイズが多い

まずは「Intent-to-Treat(ITT)」手法から始めましょう。すべてのケースにおいて、ITTではコントロールグループのユーザーには広告を一切配信しません。このアプローチは「ホールドアウトテスト」とも呼ばれ、インクリメンタリティ(増分効果)を以下の2通りの方法で計測します。

1. 完全比較(Complete comparison): この方法では、テストグループ内の全ユーザー(広告が表示されたユーザーと表示されなかったユーザーの両方)と、コントロールグループ全体のユーザーの行動を比較します。

これは、ITT手法を正しく適用する方法であり、以下の問いに答えることができます:「自分の広告をターゲティングされたユーザーは、されていないユーザーに比べてどれだけ多く支出しているか?」

この方法は理論的に正しいものの、ノイズの多さという課題を生じさせます(ノイズについては後述)。

2. 部分比較(Partial comparison、いわゆるナイーブな手法):こちらの方法では、広告が実際に表示されたユーザーのみを抽出し、その行動をコントロールグループのユーザーと比較します。

このアプローチは、テストグループ内の非表示ユーザーによるノイズを抑えようという意図で使われがちですが、実際には広告配信面(supply)、入札機会、インプレッションレンダリングの可用性といった要因により、セレクションバイアスが生じやすく、誤った結論につながります。

ITT手法がインクリメンタリティ測定で広く採用されているのは、クライアントサイド(BIチームやデータサイエンス部門など)で簡単に実装できるためです。広告配信パートナーの配信システム側と連携する必要はありません。

ただし、実際には、テストグループに含まれるユーザーのうちごく一部しか広告に接触しないという状況も珍しくありません。これは、ターゲットユーザーの広告在庫がサプライサイドで限られていたり、プログラマティックオークションでの勝率が低かったりする場合に発生します。その結果、テストグループ内に大量の非表示ユーザーが含まれてしまい、計測がノイズだらけになるのです。

データにおける「ノイズ」とは?

ノイズ(意味のない情報)は、テストグループ内に含まれる広告非接触ユーザーによって生じます。ノイズが多くなると、統計的な有意差や増分効果が見られない失敗テストに終わることがしばしばあります。これは、非接触ユーザーの行動が変動することで、少数の接触ユーザーによってもたらされたわずかな効果がかき消されてしまうためです。

「ノイズ」の問題を視覚的に捉える
以下のイメージを思い浮かべてください:

どちらのほうが、水面の変化を目視で確認しやすいでしょうか?答えは簡単。バケツです。変化を測るのが目的であるなら、バケツの方がインパクトを観測しやすいのです。インクリメンタリティ測定において、バケツが「少数の非接触ユーザー」、プールが「多数の非接触ユーザー」を表します。非接触ユーザーが多ければ多いほど、広告の影響を検出するのが難しくなってしまうのです。

プラシーボ広告(PSA広告)

ノイズゼロだが、コスト高かつ持続不可能な選択肢

「PSA/プラシーボ広告」手法では、コントロールグループにも実際の広告を配信します。具体的には、赤十字のバナー広告や飲酒運転防止広告など、社会的な啓発を目的としたPublic Service Announcement(PSA)広告を配信します。

このように実際の広告を配信することで、「コントロールグループ内で広告配信対象となり得たユーザー」が特定可能になります。これにより、非接触ユーザーを測定対象から除外でき、ノイズを完全に排除できます。

セルフサーブプラットフォームではPSA広告の実装が容易であり、Intent-to-Treat方式で発生するノイズ問題への優れた対処法となります。実際、PSAを用いたアップリフトテストではノイズが一切発生しません。しかしながら、この手法にはコストがかかりすぎるという大きな課題があります。コントロールグループへの広告配信にもインプレッション単位で広告費が必要となるため、マーケターの利益率を圧迫することになります。さらに、インクリメンタリティ測定は一度きりではなく、継続的な運用が理想であることから、PSA広告に予算を割き続けることは、長期的な戦略として現実的ではありません。

加えて、PSA広告は実装方法を誤ると、かえって不正確な結果を導く可能性があります。たとえば、スマートな配信最適化が行われるプラットフォーム上で2種類の異なるキャンペーンを同時に走らせた場合、システムはそれぞれの広告内容に応じて配信ターゲットを最適化してしまいます。

  • 「(配信システムは)クリックする可能性が最も高いタイプのユーザーに広告を配信します。スポーツ用品やアパレルの広告をクリックするユーザーと、慈善団体の広告をクリックするユーザーは、おそらくまったく異なるタイプです。つまり、これは"リンゴとオレンジ"を比較しているようなものです。結果として、PSAテストでは過剰に楽観的、あるいは過剰に悲観的な誤った結果が出ることがあります。」 - Think with Google

また、PSA手法ではコントロールグループとテストグループが同等であるという前提が置かれますが、これは現実には成立しません。たとえば、同じユーザーであっても、「飲酒運転防止広告」と「次のレベルで新キャラクターを手に入れよう!と訴求するゲーム広告」とでは、反応の強さがまったく異なる可能性があります。このように、グループの定義自体が歪められてしまうため、正確な比較は不可能になります。

ITTとPSAの"いいとこ取り"だが、ユーザー獲得により適した手法

いくつかの業界文献でも取り上げられているように、Ghost Adsのコンセプトは、インクリメンタリティ測定において最も多くの利点を提供する手法の一つです。そのメリットには、ノイズの少なさ、選択バイアスの最小化、そして広告主に追加コストが発生しないという点が含まれます(これは、PSA手法と大きく異なるポイントです)。

Ghost Adsは、PSAの考え方をベースにしつつ、広告主の負担コストを取り除いた改良版といえます。具体的には、コントロールグループのユーザーには別の広告主による広告が配信されるため、自社のクリックやインプレッションに関わるコストは発生しません。その後、コントロールグループのユーザー行動には「ゴーストインプレッション」が記録され、「本来であれば広告接触していたはずのユーザー」が誰であったかを特定することができます。

Ghost Adsは非常に正確かつ精緻な計測手法ですが、リターゲティングにはあまり向いていません。この手法では、対象ユーザーに対して自社以外にも関心を持つ広告主(=第2の関心主体)が存在することが前提となるためです。ユーザー獲得(User Acquisition)領域であれば、1人のユーザーに複数の広告主が関心を持つことは一般的なので、この要件は容易に満たされます。しかし、リターゲティングでは通常、過去に特定のアプリやサービスと関わりのあるユーザーなど、非常に絞られたセグメントが対象となるため、関心を持つ広告主が1社しか存在しないケースが多く、Ghost Adsは適用しにくいのです。

GHOST BIDS(ゴースト入札)

アプリリターゲティングに特化した、より精緻かつコスト不要なインクリメンタリティ測定手法

Ghost Adsと同様に、Ghost Bidsの目的も、ノイズおよび非接触ユーザーをできる限り排除することです。Remergeでは、Ghost Adsのコンセプトをベースにしながら、継続的な増分効果のトラッキングを目的とした独自ソリューションを構築しています。ただし、リターゲティング用途に最適化するためにいくつかの実装上の改良を加えており、そのため本手法を「Ghost Bids(ゴースト入札)」と呼んでいます。

まず、RTB(リアルタイム入札)上で検出されなかったすべてのユーザーを、テストグループ・コントロールグループ問わず除外します。これにより、計測におけるノイズは大幅に削減されます。

増分を計測するために、私たちは「リーチ可能なユーザー」、すなわちターゲットセグメントに属し、RTBアドエクスチェンジ上で検出され、入札が可能なユーザーに対して、収益とコンバージョンをトラッキングします。テストグループには通常通り入札を行い、コントロールグループには実際の入札は行いませんが、「Ghost Bid(理論上は入札が可能だったことを示す)」としてマークを残します。一方で、ターゲットセグメントに属していてもアドエクスチェンジ上で検出されなかったユーザーは、テストの対象外となります。

このように、RTB上に存在しないユーザーが計測を乱すことがなくなるため、ITT手法と比べてノイズが大幅に低減されます。なぜなら、広告に接触する可能性のなかったユーザーの行動は、そもそも本キャンペーンとは無関係だからです。

つまり、テストグループ内には2種類のユーザーが存在することになります。1つは少なくとも1回インプレッションを見た接触ユーザー、もう1つは我々がそのユーザーに対して入札に勝てなかった、あるいはインプレッションがレンダリングされなかったために接触しなかった非接触ユーザーです。

同様に、コントロールグループにも「本来であれば広告に接触していた可能性のあるユーザー」と「そうでないユーザー」が存在します。非接触ユーザーが一定割合含まれることで計測には追加のノイズが生じますが、どのコントロールグループのユーザーが本来広告に接触していたかを正確に予測する方法はなく、その推定は計測に選択バイアスを持ち込む可能性があるため、簡単には行えません。

まとめ:インクリメンタリティ測定とは

  • インクリメンタリティ測定の概念を理解することは、ROIをより科学的に把握するための第一歩です。さらに、それぞれの手法とその長所・短所を理解することで、より的確な判断が可能になります。
  • 適切なインクリメンタリティ測定のツールや手法を用いることは、広告主と広告パートナーの双方にとって正しいインセンティブ設計につながります。戦略としてのインクリメンタリティは、長期的にはモバイルリターゲティングを、より透明性が高く計測可能で、フラウドの少ないチャネルへと進化させるものになるでしょう。

インクリメンタリティ測定に関するさらに詳しい情報については、別のブログ記事でいくつかの科学論文を紹介しています。

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Retargeting lexicon
Programmatic Advertising

The automated process of buying and selling advertising space through digital platforms.

View-Through Attribution
view-through-attribution

Refer to: Attribution Methodology

Uplift Test | アップリフトテスト
uplift-test

Remergeが実施するランダム化比較試験で、1つまたは複数の広告の増分効果を測定するためのテスト。

参照:ランダム化比較試験 (RCT)

Uplift Report | アップリフトレポート
uplift-report

アップリフトテストの結果をまとめたRemergeのレポート。オーガニックやその他のマーケティングドリブンなコンバージョンに加え、発生した増収益を提示。また、広告費、グループサイズ、コンバージョン量、コンバーター、グループごとの収益などの観測値や、その他の指標も含まれている

SKAdNetwork (SKAN)
skadnetwork

Store Kit Advertising Networkの略。Appleが提供するモバイルアトリビューションをトラッキングするための計測フレームワーク。2018年に導入され、2020年のiOS 14.5アップデートで広く実装された。

Segment | セグメント
segment

位置情報、人口統計、アクティビティレベル、購入・課金額、最後に特定のアプリを開いたのはいつかなど、共通の属性に基づくユーザーのグループ。

Retention Rate | リテンションレート
retention-rate

インストールやリエンゲージメントなどのイベント後、一定期間内にアプリ内でアクティブになったユーザーの割合のこと。定着率、継続率、顧客維持率ということもある。

Retargeting | リターゲティング
retargeting

広告主が、既存のユーザーに対して、同じデバイス内の他のアプリを通じてエンゲージするために使用するマーケティングチャネルの一つ。通常、ユーザーに特定のApp内イベント(購入、ゲーム内通貨の購入、初回注文など)を完了させるよう促すことなどが目的とされる。従来のリターゲティングの方法は、AAIDやIDFAなどのユーザーIDに依存している。

Reshuffle | リシャッフル
reshuffle

リシャッフルとは、テストグループやコントロールグループに属していたユーザーをランダム化し、マークすることを指す。

インクリメンタリティ測定では、特定のアプリケーションでグループをリシャッフルすることで、あるグループには広告が表示されないのに、他のグループには常に広告が表示されるという、時間の経過によるバイアスを集計することが可能になる。

リシャッフルは、測定が長期間にわたって実施されている場合や、広告配信の設定、セグメンテーション、クリエイティブ戦略などに大幅な変更があった場合に有効な手段。

Real-Time Bidding | RTB (リアルタイム入札)
real-time-bidding-rtb

広告枠を瞬時にプログラマティックオークションで売買するプロセス。RTBでは、広告バイヤーが広告枠に入札し、落札されると即座にバイヤーの広告が表示される。広告主やDSPなどのデマンド側は、複数の配信元から広告枠を最適に購入することができる。

Randomised Controlled Trial | ランダム化比較試験 (RCT)
randomised-controlled-trial-rct

特定の集団を無作為に、できるだけ類似した2つのグループ、すなわちテストグループとコントロールグループに分ける方法。

その他の記事
Queries Per Second | QPS (1 秒あたりのクエリ数)
queries-per-second-qps

DSPが入札を決定(広告配信)するために1秒間に処理できる件数。QPSが高いほど、リーチできるオーディエンスが増えるとされる。

Publisher | パブリッシャー
publisher

アプリマーケティングにおいて、パブリッシャーとはアプリデベロッパーのことであり、アプリ内に広告を掲載することで費用を得ることができる。例えば、広告主はアプリYを通してユーザーにリーチしたいので、アプリYに広告を表示するための費用を(パブリッシャーに)支払う。

その他の記事
Public Service Announcement Ads | PSA広告 (公共広告)
public-service-announcement-ad-psa-ads

寄付や交通安全の呼びかけなどのPSA広告をコントロールグループのデバイスに表示するインクリメンタリティ測定手法。実際の広告を配信することで、コントロールグループ内で広告が表示されたはずのデバイスの情報を得ることができる。表示されていないデバイスは、ノイズを減らすために測定から除外される。

Probabilistic Attribution | 確率的アトリビューション
probabilistic-attribution
Organic Behaviour | オーガニックビヘイビア
organic-behavior

特定のマーケティング活動に直接起因しないユーザーの行動。

Multi-Touch Attribution | マルチタッチアトリビューション
multi-touch-attribution
Mobile Measurement Partner | MMP (モバイル計測パートナー)
mobile-measurement-partner-mmp

アプリマーケティングにおいて、MMPとは、アプリ内やアプリに到達するまでの行動を計測することに特化したサービスプロバイダーのことを指す。アプリデベロッパーは、アプリにMMPを組み込むことで、特定の画面での滞在時間、流入元、アプリの起動頻度などのユーザー行動やApp内イベントをトラッキングできる。

Lifetime Value | LTV (ライフタイムバリュー)
lifetime-value-ltv

アプリのインストールを起点とし、ユーザーとブランド間の取引開始から終了までの期間全体において、ユーザーがアプリデベロッパーにもたらした収益の総額を算出したもの。ユーザーのロイヤルティーが高いほど、LTVが高いとされる。「顧客生涯価値」と訳される。

Last-Click Attribution | ラストクリックアトリビューション
last-click-attribution
Key Performance Indicator (KPI)
key-performance-indicator-kpi

ある施策の目標達成の効果を評価するために用いられる主要な指標。プログラマティック広告では、各広告配信の目標や性質によって、一般的な成果指標の種類が異なる。ROAS、CPA、リテンションレートなどがある。

Intent-to-Treat (ITT)
intent-to-treat-itt

インクリメンタリティ測定手法の一つで、コントロールグループ・テストグループの全ユーザーの行動を比較する。追加コストがかからず実施しやすいが、ノイズが比較的多く、RTB環境下での正確性に欠ける。

コントロールグループ内のユーザーには完全に広告を配信しないが、テストグループ内のユーザーには、広告接触ユーザーと非接触ユーザーの両方が含まれる。

Incrementality | インクリメンタリティ
incrementality

オーガニックやその他のマーケティング活動の上に、特定の広告配信の影響を測定する方法

Incremental Revenue | 増分収益
incremental-revenue-irevenue

広告配信によって直接発生した収益の推定値。

計算式
テストグループからの収益-コントロールグループからの収益=増分収益

Incremental Return On Ad Spend (iROAS)
incremental-return-on-ad-spend-iroas

広告配信の費用対効果を算出する際に使用するKPI。増分収益と広告配信に費やした金額との関係を評価するために用いられる。通常、パーセンテージで表記される。

計算式
パーセンテージ:[増分収益 ÷ 広告費]×100 = iROAS%
比率:増分収益 ÷ 広告費 = iROAS

その他の記事
Incremental Cost Per Action | 増分CPA (iCPA)
incremental-cost-per-action-icpa

増分CVのコストを評価するために使用されるKPI。

計算式広告費 ÷ [テストグループの行動 - コントロールグループの行動] = 増分CPA

Incremental Conversions | 増分CV
incremental-conversions

広告配信によって直接引き起こされたコンバージョンの推定量。

計算式
テストグループのCV数 - コントロールグループのCV数 = 増分CV

In-App Event | App内イベント
in-app-event

ログイン、登録、チュートリアルの完了、購入・課金など、ユーザーがアプリをインストールしてからアプリ内で行った行動のこと。これらのイベントは、MMPでトラッキングが可能。

Impression | インプレッション
impression

広告を広告掲載場所に表示すること。注意点として、インプレッションは、必ずしも広告の内容が閲覧されたことを意味するわけではない。

Identifier for advertisers (IDFA)
identifier-for-advertisers-idfa

Appleが生成し、すべてのiOSデバイスに割り当てられた一意のランダムなデバイスID。広告主はこのIDにアクセスすることで、アプリ間でのユーザーの行動をトラッキングし、パーソナライズ化された広告を表示したり、広告のインタラクションを特定したりすることができる。2021年4月にATTが導入されて以降、広告主がIDFAにアクセスするにはユーザーの許諾が必須となった。

Ghost Ads
ghost-ads

コントロールグループのユーザーに、プラットフォーム上の別の広告主が掲載した広告を表示することで、クリックやインプレッションのコストを削減するテスト手法。その際、コントロールグループの行動には「Ghost Impression」のマークが付き、どのコントロールグループのユーザーが広告と接触したかという情報を得ることができる。

General Data Protection Regulation | EU一般データ保護規則 (GDPR)
general-data-protection-regulation-gdpr

EU(欧州連合)およびEEA(欧州経済地域)におけるデータ保護とプライバシーに関する法律に基づく規制で、企業や組織によるデータの保存と使用方法についてユーザーに管理権限を付与するもの。GDPRを遵守するために、プログラマティック広告に携わる企業・組織は、データの保存と使用方法についてユーザーに明確に伝える必要がある。ユーザーが企業や組織のデータ処理に同意することで、ターゲティング広告が可能になる。

Exposure Rate | 露出率
exposure-rate

アップリフトテスト中に広告配信のターゲットとしたテストグループ内のユーザー総数に対し、少なくとも1回広告が表示されたテストグループ内のユニークユーザーの割合のこと。例えば、1,000人中900人のユーザーに広告が表示された場合、露出率は90%となる。

参照:アップリフトテスト

Deterministic Attribution | 確定的アトリビューション
deterministic-attribution
Deeplink | ディープリンク
deep-link

アプリのマーケットプレイス(Google PlayやApple Store)ではなく、アプリ内の特定の場所やページにユーザーを直接誘導するためのリンク。ディープリンクは、コンバージョンポイントに到達するために必要なステップを省き、ユーザーを目的のアクション(購入完了、コインの購入、注文など)が実行できる場所に直接誘導できるため、ユーザビリティの改善やコンバージョン率の向上が期待される。リターゲティング広告配信には必要な要素。

Test Group | テストグループ
test-group

アプリマーケティングにおいて、テスト時に特定の広告が表示される可能性のあるデバイス群のことを指す。これらのデバイスでの行動は、コントロールグループのデバイスでの行動と比較される。

比較:コントロールグループ

Control Group | コントロールグループ
control-group

アプリマーケティングにおいて、テスト時に特定の広告が表示されないターゲット層内のユーザー群のことを指す。これらのユーザーの行動は、テストグループ内のユーザーの行動と比較される。

比較: テストグループ

Contextual Targeting | コンテクスチュアルターゲティング
contextual-targeting

位置情報(国、都市、郵便番号)、言語設定、モバイルOS、デバイスモデル、およびパブリッシャー情報などのコンテキスト情報のみを使用したターゲティングの一種。固有のデバイスIDのトラッキングに制限がかかったことにより、代替手法として注目されている。

California Consumer Privacy Act | カリフォルニア州消費者プライバシー法 (CCPA)
california-consumer-privacy-act-ccpa

米国カリフォルニア州の住民のプライバシー権や消費者保護を強化する法案。2020年1月1日に施行。
CCPAは、消費者に以下の権利を提供する:
- 自身のどのような個人データが収集されているかを知ること。
- 自身の個人データが販売または開示されているかどうか、そして誰に対してかを知ること。
- 個人データの販売に反対すること。
- 自身の個人データにアクセスすること。
- 事業者に対して、その個人から収集された個人データの削除を要求すること。
- プライバシー権を行使しても、サービスや価格が同等であること。

Attribution Window | アトリビューション期間
attribution-window

広告のクリックまたはインプレッションに基づいたコンバージョンを特定するために考慮される時間枠を指す。アトリビューション期間は、広告主が設定した期間。例えば、ユーザーがある広告をクリックしたがすぐにコンバージョンに至らない場合でも、決められたアトリビューション期間内にコンバージョンに至った場合は、その広告がコンバージョンに貢献したと特定することができる。

Attribution Provider | アトリビューションプロバイダー
attribution-provider-ap

ユーザーのアプリ内行動を正しいメディアソースに割り当てるために、アプリ内計測を行いデータを提供するサードパーティ。一般的にはMMP (Mobile Measurement Platform) やDMP (Data Measurement Platform) と呼ばれる。アトリビューションプロバイダーは、①ユーザーがどこから来たかを特定、②現在のセッション (アプリ内遷移) と今後のすべてのセッションにおいて、そのユーザーからのすべての行動とコンバージョンを追跡することを可能にする。

Attribution Methodology | アトリビューション手法
attribution-methodology

コンバージョンがどのクリックやインプレッションを経由して達成されたか特定するプロセスを指す。一般的なアトリビューション手法には以下のものが挙げられる:

  • クリックスルーアトリビューション (Click-Through Attribution) - ユーザーのクリック行動に基づいて、コンバージョンに至った媒体を特定する手法。
  • ビュースルーアトリビューション (View-Through Attribution) - ユーザーへ配信された広告インプレッションに基づいて、コンバージョンに至った媒体を特定する手法。
  • 確定的アトリビューション (Deterministic Attribution) - 固有のデバイスIDに基づき、特定のクリックまたはインプレッションからユーザーがコンバージョンに至った媒体を特定する手法。従来のトラッキングID可能な広告配信で有効。
  • 確率的アトリビューション (Probabilistic Attribution) - 言語、タイムゾーン、IPアドレス、OSバージョンなどの基本的なデバイスデータに基づいて、特定のクリックまたはインプレッションに由来するユーザーのコンバージョンの可能性を特定する手法。No-ID(デバイスIDを用いない)で広告配信する場合に適用。
  • ラストタッチアトリビューション (Last-Touch Attribution) - ユーザーの最後の行動(例:アプリの起動、課金など、クライアントが目標とするコンバージョン)と、それに対応する広告のクリックまたはインプレッションとの間で整合性を確立させることで、コンバージョンに達した媒体を特定する手法。広告A、広告Bの2つの広告を見たユーザーが、広告Aを通じてコンバージョンに至った場合、その広告Aを配信したDSPに、コンバージョンイベントに対して100%の貢献度が割り振られる。
  • マルチタッチアトリビューション (Multi-Touch Attribution) - コンバージョンに至るまでのすべてのタッチポイントの貢献度を決定する手法で、マルチチャネルアトリビューションとも呼ばれる。1つの広告に100%の貢献度を割り振るのではなく、マルチタッチアトリビューションでは、コンバージョンに至るまでにユーザーが接触したすべての広告チャネルで貢献度を分ける。
Attribution | アトリビューション
attribution

広告を通じてコンバージョンに至るまでにユーザーが一定期間内に接触したタッチポイントから、コンバージョンに貢献した媒体を特定する方法。

その他の記事
App Tracking Transparency (ATT)
app-tracking-transparency-att

Appleが提供するプライバシーフレームワークで、iOSデバイスに割り当てられるデバイス固有の識別子であるIDFA(Identifier for Advertiser)にアクセスする前に、ユーザーからトラッキングの諾否を得るプロセスを管理する仕組み。2021年4月にリリースされたiOS14.5より導入された。ユーザーの許諾が得られない限り、広告主は、IDのトラッキングができず、パーソナライズ化された広告配信などができなくなる。

App Monetization | アプリの収益化
app-monetization

アプリパブリッシャーが自社のアプリから収益を得るための戦略。アプリ内広告、有料メンバーシップ、プレミアム機能または広告なしの体験に対する課金などによって成立する。ゲームアプリの中には、ダウンロードやプレイ自体は無料でも、ユーザーが次のレベルに早く進むために課金する必要がある場合などがこれに当てはまる。

Android Advertising identifier (AAID)
android-advertising-identifier-aaid

Androidデバイスに割り当てられるデバイス固有の識別子で、Googleが生成していることから、Google Advertising Identifier (GAID) とも呼ばれる。広告主はAAIDを使用してアプリ間でのユーザーの行動を追跡することで、パーソナライズ化された広告を表示し、広告のインタラクションを特定することができる。

Advertisers | 広告主
advertisers

広告主とは、広告を適切なタイミングで適切なメッセージを適切なオーディエンスに配信することで、売上やリードを獲得することに注力する個人または法人を指す。

モバイル広告業界では、広告主はエンドクライアントとなり、広告を通じてアプリの収益化(プロモーションやグロース)を行う。

Causal Impact Analysis | Causal Impact分析
causal-impact-analysis

統計的因果推論の最新の手法の一つとされ、Googleが開発した、デバイスIDなしで機能する計測フレームワーク。他のキャンペーンやオーガニックCVの影響を排除し、1つ以上のCVイベントの増分アップリフトを測定するもの。IDレスでの広告配信効果を評価するために使用される。

テレビ広告の効果測定と同様に、識別可能なサブマーケット(テストグループ)で広告配信を実施し、他のサブマーケットには露出させない(コントロールグループ)ことを原則とする。

Ghost Bids
ghost-bids

Ghost Adsのコンセプトをベースとする、よりリターゲティング広告配信に適したインクリメンタリティ測定手法の一つ。ノイズを減らすために、テストグループとコントロールグループ内のユーザーのうちRTBでリーチできるユーザーを比較する。テストグループには通常通り入札が行われるが、コントロールグループには「Ghost Bids(入札対象のユーザーではあるものの最終的には入札しなかった)」で結果を比較する。

Return on Advertising Spend | ROAS (広告費用対効果)
return-on-advertising-spend-roas

広告施策によって得られた収益と、それに費やされた広告費の関係を測定するKPI。

計算式パーセンテージ:
[収益÷広告費]×100=ROAS%
割合:売上高÷広告費=ROAS

参照:iROAS

Supply-Side Platform | サプライサイドプラットフォーム (SSP)
supply-side-platform-ssp

パブリッシャーと連携し、アドネットワーク上で広告在庫を販売する企業やそのサービス。

⇄ デマンドサイドプラットフォーム (DSP)

Demand-Side Platform | デマンドサイドプラットフォーム (DSP)
demand-side-platform-dsp

広告主に代わって、アドネットワーク上の広告在庫(インベントリ)を買い付ける企業やそのサービス。DSPのプラットフォームは、広告主が希望する広告枠を特定し、そこにリアルタイム入札 (RTB) を行うように構築されている。

⇄ サプライサイドプラットフォーム (SSP)

Open RTB
open-rtb

複数のパブリッシャーの広告在庫を、DSPがリアルタイムで入札できるデジタルマーケットプレイス。

参照:RTB (リアルタイム入札)

Self Attributing Networks (SANs)
self-attributing-network

Metaグループ (Facebook, Instagramなど)、Snap、Twitterのように、サードパーティのMMPを介さずに、内部で独自にトラフィックのアトリビューションを計測する機能を持つアドネットワーク。

Variable Bidding
variable-bidding

ユーザーのアプリ内行動パターン、コンテキスト情報、時間帯、広告掲載実績に基づいて入札価格を動的に調整すること。

Dynamic Product Ad | ダイナミックプロダクト広告 (DPA)
dynamic-product-ad-dpa

ダイナミック広告とも呼ばれ、ユーザーの行動やフィードから取得した情報に基づいて動的に編成される広告のこと。例えば、ユーザーが商品Aを閲覧した場合、商品Aに関連する他の商品が自動で広告表示される仕組み。このタイプの広告は、各ユーザーに合わせた広告体験を提供することができるため、Eコマースやフードデリバリー、旅行業界などで多く利用されている。


Real-Time Audience Segmentation
real-time-audience-segmentation

リアルタイムのイベントに基づいてオーディエンスを個別のセグメントに分割することで、ターゲットを絞った広告が可能になり、ユーザーの行動パターンや好みに合わせた広告が可能になります。

User Acquisition | ユーザー獲得 (UA)
user-acquisition-ua

アプリに新規ユーザーを呼び込むために行うモバイルマーケティング施策のこと。有料UAは、モバイル広告ネットワークやソーシャルメディアチャンネルに掲載される広告を指し、オーガニックUAは、ASO (アプリストアの最適化) や広告主自身のチャンネルでのプロモーションが含まれる。

Programmatic Advertisement | プログラマティック広告
programmatic-advertising

デジタルプラットフォームを通じてリアルタイムに広告枠の売買(入札・広告表示)を行う自動化された仕組み。

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