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RemergeとironSourceが予見する2022年のアプリマーケティング戦略

IDかNo IDか?シリーズの最新号では、RemergeのINSEA Regional ManagerであるMaria Abdull Latifが、2022年にプログラマティック広告業界の展開や動向についての見解を述べ、インドと東南アジアのアプリマーケティングトレンドについて紹介します。また、ironSource社のGlobal Marketplace & Strategic Development VPであるAri Brandt氏は、広告主がプライバシーファーストのモバイルマーケティングの状況をどのように把握しているか、SKAdNetworkキャンペーンのメリット、匿名オーディエンスに対するクリエイティブの重要性などについて解説しています。

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ATTが呼び水となり、プライバシー重視のアプリマーケターの意識改革が進む

Maria Abdull Latif, Regional Manager, INSEA, Remerge

App Tracking Transparency (ATT) フレームワークの導入は、IDベースの広告の終焉をもたらすものではありませんでした。しかし、アプリマーケターの考え方に変化をもたらしたのは事実です。多くのマーケターは現在、プログラマティック広告戦略を再考し、プライバシーファースト時代にどのように対応できるかを考えています。

今日、ユーザーデータを要求する際の価値交換や、個人情報の保有と使用に関する消費者の懸念にアドテク企業がどのように対処するかについて、より多くの議論がなされています。数年前と比べると、人々は自分のデータをよりコントロールできるようになり、2022年には、テック企業がこの情報をどのように使用するかを継続的に学ぶことになると思います。これまでのところ、相当数のユーザーが自分のIDを共有し、iOSデバイスの広告トラッキングにオプトインしていることが分かっています。これは、多くのユーザーが、関連性の高い広告やパーソナライズ化されたメッセージの利点をまだ評価していることの表れです。

アプリのエコシステムにおいて、ユーザーが自身のプライバシーについて決定できるようにすることは、必ずしもユーザーが匿名でいることを選ぶことを意味するものではありません。ユーザーが使用するアプリと個人情報を取り交わす際に、何を公正と見なすかを選択できるようになったことを取り上げることが重要です。私たちは常にクライアントと、ユーザーに有益なパーソナライズ化された広告を表示し、ユーザーのニーズを主軸に置いた価値交換を展開する方法について話しています。今後、オプトイン率は上がるのでしょうか?私は、2022年にアプリ事業者がこのテーマを深く掘り下げれば、業界はオプトイン数の成長に影響を与えるような、よりリッチなアプリ体験を実現できると確信しています。

« IDFA後のダッシュボードデータでは、インドと東南アジア全域でiOSユーザーのID付き入札依頼が多発していることがわかります。 »

Maria Abdull Latif, Regional Manager, INSEA, Remerge

インドと東南アジアで成長するAndroid

インドや東南アジアではAndroidに予算がシフトしていますが、これはAndroidが市場最大のOSであるためです (Androidは世界のアプリユーザーエコシステムの約75%を占めています)。Androidでのリエンゲージメントやリテンションキャンペーンは、Appleのプライバシーポリシーの変更に伴う影響を受けず、素晴らしいROIをもたらしていますが、これは永久に続くとは限りません。アプリマーケターは、この状況を引き続き活用すべきですが、今後に向けて準備をしておく必要があります。Androidが独自のプライバシーフレームワークを導入するのは時間の問題でしょう。

当社のポストIDFAダッシュボードデータでは、インドと東南アジア全域でiOSユーザーのID入札リクエストが大量に発生していることがわかります。2022年1月現在、インドでは入札リクエストの61%がIDありで、シンガポール (70%)、タイ (75%)、ベトナム (82%) などの東南アジア諸国でも、iOSでのID入札リクエストの多さが確認されています。米国 (48%) や英国 (53%) など、他の主要市場におけるID入札リクエストの割合が低いことと比較すると、INSEA地域は、アプリマーケターがiOS上で識別可能なオーディエンスに対してプログラマティック広告キャンペーンを実施するための大きな可能性を持っていると言えるでしょう。

広告主は プライバシーファースト時代にいち早く対応

Ari Brandt, VP Global Marketplace, ironSource

約12ヶ月前にATTのフレームワークがローンチされて以来、広告主はエコシステムの変化に適応し続け、ironSourceのようなアプリ内ネットワークで成功を収めていることがわかります。また、ATTの実装により、広告主はサプライパスを最適化し、プログラマティックパートナーとより効果的に連携する方法を考えることを余儀なくされています。私たちは常にエコシステムの透明性とプライバシー保護を提唱し、最近では ironSource Exchange (iSX) を強化して外面化し、パブリッシャーパートナーに需要源に関するより詳細なインサイトを提供するようになりました。

ironSourceでは、従来のブランド広告主は、アプリ内リワード動画やインタースティシャル動画のようなパフォーマンスの高いインベントリソースを、特にアプリ開発者による入札可能なインベントリの普及に伴い、プランに追加し続けていると見ています。また、インタラクティブエンドカードやプレイアブルユニットなど、アプリ内で成功し、プログラマティックに配信可能なユニットに対する洗練されたクリエイティブの採択や テストに大きな関心が集まっていることも確認できています。

« プライバシーファースト時代において、効果的でインパクトのあるクリエイティブは、ユーザー獲得キャンペーンの成功にますます不可欠なものとなるでしょう »

Ari Brandt, VP Global Marketplace, ironSource

アプリマーケターはポストIDFAにおいてより価値の高いエンゲージメントを重視する必要がある

アプリマーケターがポスト識別子の時代に適応しつつある今、メディアとROIをどのように評価するかについて、より洗練されたアプローチを取ることが期待されます。従来、リターゲティングキャンペーンとユーザー獲得キャンペーンは別物とみなされ、それぞれ個別の目標が設定されていました。広告主がアプリの再ダウンロードを制限できないポスト識別子の環境下では、詳細な制御はあきらめるものの、キャンペーン全体のエンゲージメントに高い価値を置く必要があるのです。再ダウンロードが新規ダウンロードを上回るROASを達成したキャンペーンもあり、広告主はより総合的なアプローチでキャンペーンの目標設定を行うようになると思われます。

ユーザー獲得キャンペーンでは、 効果的なクリエイティブが重要になる

私たちが考える最大の課題は、高度にターゲティングされたチャネルから、コンテクスチュアルな環境での広告の運用とその適切なマネジメントへの移行です。広告主は、より多様なチャネルでKPIやクリエイティブをマネジメントすることに加えて、詳細なターゲティングを提供しないチャネルでの運用やそれらを適切に評価する方法に慣れる必要があります。

プライバシーファースト時代において、効果的でインパクトのあるクリエイティブは、ユーザー獲得キャンペーンの成功にますます不可欠なものとなるでしょう。アプリマーケターは、継続的にテストと実験を行うことを重視し、クリエイティブを大規模に提供するソリューションプロバイダーや、チャネルをまたいだキャンペーンをマネジメントするために必要なインサイトを活用する必要があります。また、マーケターは、チャネルを賢くマネジメントし、デバイス上のチャネルのような新しい選択肢と、ソーシャルメディアやアプリ内獲得のような実績のあるチャネルのテストをバランスよく継続する必要があります。

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