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no-IDの世界でDSPパートナーを再評価すべき理由

no-IDの世界は、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)の活躍の場を平準化しました。

iOSにおける新たなプライバシーフレームワークの運用開始により、従来、ユーザー獲得のために使用されてきたデバイスIDグラフやユーザー類似モデルのようなプラクティスの価値は一変しました。

これにより、新規のプレーヤーは市場に参入しやすくなったものの、モバイル広告主にとっては、優先パートナーを決める際の最適な基準を読み解くことが一層難しくなります。

それでは、DSPの価値を評価する際に考慮すべき点を見ていきましょう。

1. スケール

プログラマティック広告において、スケールとは、DSPがモバイルユーザーにリーチできることを指します。これは、多くの場合、1秒あたりのクエリ数(QPS)を参照し、DSPが毎秒広告を配信する機会の数を表すものです。加えて、独自のセールスポイントとしてスケールに依存する場合は、DSPが多様なサプライパートナーを持つことも同じく重要です。これにより、プラットフォームは大量のデータポイント(クリエイティブタイプやOSなど)と連携し、最適化を目指します。つまり、DSPがユーザーを見つけ、コスト効率よく広告スペースを購入する機会が増えていくのです。

DSPと複数のサプライパートナーが連携することで、貴社は広告キャンペーンのさまざまなフォーマットやアプリにアクセスできるようになります。また、大規模に展開することで、DSPはより多くのオークションの成果を観察し、異なるトラフィックコンポーネントの市場価格をより効率的に学習できるのです。

no-IDの世界では、IDグラフや類似リストが完全に消えた場合、ターゲットオーディエンスにリーチするにはスケールを通じてインベントリを活用するしかありません。

2. 入札

現在、プログラマティックによる購入のほぼ90%はリアルタイム入札(RTB)を介して行われます。高性能なDSPには、高度な入札アルゴリズムが導入されているため、質の良い広告スペースを可能な限り最適な価格(最小限のコスト)で購入することができます。

スケールの規模はDSPの価値を評価する際に確認する大きな要素の1つですが、no-ID時代において、モバイルアプリを成長させるための持続可能なビジネスモデルを構築するにはスケールの規模だけでは十分ではありません。現状、広告キャンペーンを成功させるには、スケールとスマート入札の組み合わせが欠かせません。万が一、広告スペースが間違った価格で購入された場合、質の高い大量のトラフィックにアクセスしても意味がないのです。最新の入札、コンバージョン、クリック予測アルゴリズムのおかげで、DSPは市場から学習してインテリジェントに購入し、いかなる入札リクエストに対しても最適な価格を支払うことができます。最もインテリジェントなアルゴリズムは、コンテクスチュアルデータポイントを使用するため、ユーザーIDに依存しません。

3. クリエイティブ

iOS 14.5の運用開始とプライバシーファーストの未来に向けた業界の動向により、関連性の高い広告でオーディエンスを獲得し、アプリのスケールを拡大することはより困難になりました。また、ユーザーセグメントに基づくハイパーターゲティングおよび個人に向けたクリエイティブは、IDトラフィックでのみ可能となり、iOSでは、SkAdnetworkからの結果の取得が遅れるためクリエイティブのテストにはさらに時間がかかります。その結果、モバイル広告戦略は、より広範囲かつ包括的なアプローチへ移行しています。

no-IDの場合、コンバージョンはデザインとデータの両方に焦点を当てたクリエイティブ戦略に依存します。競争の激しい市場で、より広いオーディエンスを引きつけ、アプリのブランドを高めるためには洗練されたメッセージ性を持つ魅力的な広告が非常に重要です。さまざまな形式のトラフィックに対する継続的なテストで得たインサイトに基づいて、クリエイティブアセットを最適化するDSPを見つけましょう。

4. インクリメンタリティ測定

インクリメンタリティ測定は、モバイルマーケティングキャンペーンによる影響に関するリアルタイムデータと科学的インサイトを得るために使用します。これにより、増分CVやエンゲージメントにかかるコストが分かり、チャネルの拡大についてより適切に判断することができます。この方法論では、モバイルユーザーをコントロールグループまたはテストグループに配置する科学的テストを使用します。コントロールグループには広告が表示されず、テストグループには広告が表示されます。no-IDの世界では、SKAdNetworkで十分な情報を提供できない可能性があるため、広告主にとって広告費用の価値を証明する新たな手段は優先事項となっていくことでしょう。

モバイル領域におけるインクリメンタリティの採用は過去4年間で増加しています。広告主がポストIDFAの世界におけるラストタッチ測定の代わりに試用していることから、この流れは今後も継続するものと思われます。Appleは、no-IDトラフィックでキャンペーンを測定するための基本フレームワークであるSKAdNetworkを発表しました。ただし、これでは時間遅延のある集計結果のみを提供することになり、リテンション値は反映されません。しかし、リアルタイムのデータやリテンション値を確認するためには、インクリメンタリティテストなどの追加測定方法が主流になっていくものと考えます。

5. プライバシーとデータ

長年、スマートフォンユーザーの間ではプライバシーが大きな関心の的の1つであり、GDPRやCCPAのような法律の実施に伴い、モバイル広告は、これらの基準を反映、尊重するため大幅に変化しています。

さらに多くのユーザーがアプリのトラッキングをオプトアウトし始めると、新たなプラクティスやサービスが登場するでしょう。最も安全にDSPを利用するには、データプロセッサーとして機能するものを選択することです。この役割により、貴社データの安全性とセキュリティを保証し、キャンペーン以外の目的での使用に対して保護することができます。

最終決定

業界で確立されたDSPに加えて新たなプログラマティックプレーヤーが参入したことより、潜在的なパートナーリストを簡単に作成できるようになりました。問題は、IDが無い世界において、どの企業が貴社のアプリに対して最も高い成果を生み出すキャンペーンを提供できるか見極めることです。

まずは、DSPにおけるスケール、入札、クリエイティブ、インクリメンタリティ測定、データの管理方法について詳しく見ていきましょう。

Remergeにおける管理方法については、当社の専門家へお問い合わせください。

Remergeについて

Remergeは、広告主様のアプリビジネスの中で、アプリ利用ユーザーのロイヤリティを高め、収益を上げることを支援しています。2021年5月現在、Remergeはサービスを拡大し、アプリのリターゲティングサービスのほか、IDまたはno-IDユーザー向けの獲得に関する商品も提供しています。