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ATT時代においてモバイルゲームアプリでリターゲティングを効果的に実施する方法

この記事は、ATT時代において、モバイルゲームアプリで有効なリターゲティング施策を実施するヒントなどをご紹介しています。

Tilting Point社でGrowth Marketing Managerを務めていたIan Masterson氏は、この記事で紹介する内容を、Remerge (リマージ) のApptivateポッドキャストでもお話ししています。Tilting Point社は、ニューヨークに本社を置く無料ゲームパブリッシャーで、「Spongebob Krusty Cook-Off」や「Star Trek Timelines」などの人気ゲームシリーズで知られています。

こちらから、Apptivateポッドキャストのエピソード64を聞くことができます。

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) パンデミックの影響により、モバイルゲーム業界が盛り上がっているのは間違いありません。データによると、モバイルゲームは、2020年だけで772億ドルの収益を上げており、今後わずか5年以内で1,606億ドルにまで成長すると予測されています。

ユーザー獲得 (UA) は、多くのマーケターの主要な成長戦術であり続けますが、アプリリターゲティングをマーケティングミックスに加えることで、最初の30日間で収益イベントを37%増加させることができ、その結果、新規獲得ユーザーの費用対効果 (ROI) を最大化することができます。

AppleのApp Tracking Transparency (ATT) フレームワークが実装されて以来、多くのマーケターがアプリリターゲティングに着手することを懸念しています。しかし、一見すると衰退していく戦術のように見えるIDトラフィックは依然として高い水準であり、今ユーザーにリターゲティング施策を行えば、より多くのロイヤルカスタマーベースを獲得することができるのです。

有効なリターゲティング施策の時期を逃さないためにも、リエンゲージメントキャンペーンを成功させるためのヒントをいくつかご紹介します。

ユーザージャーニーを基に コンバージョンレートを改善

リターゲティング広告の目的は、過去に離脱したページにユーザーを戻し、パーチェスファネルの次のステップ(コンバージョン地点)に移行させることです。希望するコンバージョン地点はアプリによって様々ですが、ゲームアプリの場合、一般的なコンバージョンとして、アプリの起動、サインアップ、特定のレベルまでのレベルアップ、アプリ内課金、継続課金などが挙げられます。コンバージョンの促進にはユーザージャーニーの理解が重要であり、これにより適切な広告を適切なユーザーに適切なタイミングで配信することが可能になります。

リターゲティングを効果的に機能させるためには、広告からアプリに遷移する際のユーザーエクスペリエンスがシームレスである必要があります。Android向けにはディープリンク (Deep Link)iOS向けにはユニバーサルリンク (Universal Link) を実装することで、ユーザーを希望するアプリページに誘導することができます。

たとえば、アプリの最新版を持っている人とそうでない人とではユーザージャーニーが大きく異なります。アプリが最新版に更新されていない場合、ディープリンクは、所定のアプリページへ遷移する前に、ユーザーをApp StoreやPlayストアへ誘導します。アプリが最新版に更新されている場合、設定環境で設定したコンバージョン地点であるアプリページへ直接誘導されます。

アクティブユーザーを対象としたリテンションと収益化の改善

ゲーム業界において最もオーソドックスなリエンゲージメントは、休眠ユーザーへのリターゲティングです。休眠ユーザーとは、7日~30日、条件によってはそれ以上、一定期間アプリを利用していないユーザーを指します。

多くのゲームアプリは、失ったユーザーを再度獲得することに気を取られがちですが、ゲームへの興味が薄れないうちにリターゲティングを実施することには大きな可能性があります。リターゲティングの対象を休眠ユーザー以外にも拡大することで、全体のリテンションと収益性の改善が見込めます。2019年のLocalyticsの調査によると、25%のユーザーが1度の利用ですぐにアプリをアンインストールすることが明らかとなり、ユーザーの興味が薄れないうちにリエンゲージメントすることで、長期的にコストを下げることができます。

また、インストール後の最初の数日間でユーザーにリターゲティングすることで、このユーザー層が最新バージョンのアプリを入手する可能性が高まります。これにより、ユーザーがコンバージョンする可能性が最も高いアプリページに直接誘導されるため、リターゲティングキャンペーンは最適なパフォーマンスを発揮することができます。

« 全体の収益性とリテンションを改善させるための総合的な戦略は、インストール後の最初の数日間でこのようなアクティブユーザーを獲得することです。 »

Ian Masterson 氏

アプリパブリッシャーのTilting Point社は、非アクティブユーザーがアプリを再開した場合にインセンティブを与えることで成功を収めています。具体的には、アプリのリターゲティング広告を介して、最近同社のゲームアプリをインストールしたユーザーに対し、ゲームへの参加を促しています。ユーザーを特定のレベルまでレベルアップさせるために、現在のレベルの攻略をサポートするだけでなく、ゲームを楽しむための時間が提供されるようリターゲティング広告を設計していました。

また、同社は、動画などのさまざまな広告フォーマットを使用した実験も行っています。なかなかクリアできないレベルがクリアできるよう、ゲームに関するヒントを提供する動画広告を用いたり、ゲームのアップデートされた部分を強調することで、アプリを最新版に更新するよう促したりしました。

今できることをしよう

モバイルゲーム業界のマーケターにとって、アプリのリターゲティングは、さまざまな市場やセグメントでユーザーを引き込むための非常に強力なツールです。アクティブレベルに基づいてユーザーをグループ化し、魅力的で関連性の高いクリエイティブを表示することで、アプリ全体のリテンションレートを向上させ、最終的にROASの改善へつなげることができます。

iOSユーザーへのリターゲティングですが、IDトラフィック施策はまだ大規模に実施することが可能です。この移行期を利用して実験を繰り返し行い、インサイトを得ることで、将来的にID無しのキャンペーンを実行するための最適な方法を見つけることができるでしょう。

モバイルゲームマーケティングにサードパーティのリターゲティングパートナーを使用する適切なタイミングについてご興味のある方は、Pablo Bereskyji 氏 (Etermax社のMarketing Operations Manager) のポッドキャストエピソードを元にしたこちらの記事をご覧ください。