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ゲームアプリの成長を後押しするリターゲティングの仕組みとは

モバイルゲーム開発者にとって、競争は引き続き主要な課題の1つであり、膨大な数のゲームが存在することによって、さらに激化しています。その反面、ゲームに対するユーザーの関心は高まっていますが、一方で、新しいゲームがどんどん市場に参入しているため、新しいユーザーを引きつけ、課金プレイヤーにすることがますます難しくなっています。

この記事では、リターゲティングがゲームアプリの成長をどのようにサポートするかについて、主な方法をご紹介します。

ゲームアプリにリターゲティングが必要な理由

モバイルゲームアプリは、どのようにして大規模なユーザーベースを真にエンゲージメントが高く、収益を生み出すオーディエンスに変えるのでしょうか?その方法の1つは、アプリ内リターゲティングです。

Adjust社の最新データレポートでは、ゲームユーザーの獲得にはコストがかかるものの、セッションの長さと頻度は増加しており、ロイヤルユーザーからのアプリ内収益を増加させる機会が増えていることが強調されています。2021年には、ユーザー1人あたりにおける24時間以内のアプリ総使用時間が増え、1日目のアプリ使用時間の合計は50.3分から53.3分に、3日目は44.9分から47.2分に、7日目は43.3分から45.5分に、14日目は41.7分から44.2分に、30日目には41.1分から43.0分に伸びました。

出典: Adjust社「Mobile App Trends 2022」

リターゲティングキャンペーンは、パーソナライズされた広告コンテンツを通じて、このような熱心なユーザーの興味を継続的に引きつけ、定期的なプレイを促し、課金プレイヤーがより多く、より頻繁に支出を続けるよう動機付けることができます。ゲーム業界にとって、ユーザーの維持 (retention) は重要です。新しいユーザーを獲得するよりもユーザーをリターゲティングする方がコストを抑えられることを考えると、長期的なリターゲティングキャンペーンを計画することは適切な投資といえます。

実際、AppsFlyerのデータによると、リターゲティングキャンペーンに接触した課金ユーザーの平均収益アップリフトは、ゲームアプリで50%を超え、業界平均の2倍以上となっています。

リターゲティングで見込める成長とは

先程のAppsFlyerのレポートによると、ゲームアプリのうちリターゲティングに力を入れているのはわずか11%です。これは、53%のアプリがリターゲティング戦略を導入しているEコマースなどの他の業種と比較すると、かなり低い割合と言えます。

ゲームアプリの中には、競争に打ち勝つためにリターゲティングの恩恵を受けられるアプリがまだたくさんあります。そのような取り組みを行ったアプリは、パフォーマンスの向上が期待できます。

リターゲティングがもたらす価値とは

要するに、リターゲティング戦略を行えば、ゲームアプリは次のようになります。

  • ユーザーのリテンション向上
  • エンゲージメントレベルの向上
  • アプリ内コンバージョン率の増加

リターゲティング戦略をうまく計画することで、ユーザーはそのゲームが続く限りアクティブで、エンゲージメントを維持できるようになります。続いて、ゲームアプリのライフサイクルにおいて、リターゲティングが各段階でどのようにサポートしているのかを見ていきましょう。

リターゲティングとゲームのライフサイクル: 導入期、成長期、成熟期、終盤期

ステージ 1 - 導入期 (LAUNCH)

新しいゲームをリリースする場合、ユーザーの獲得には、エンゲージメントを高め、インストール後のユーザーにゲームに戻ってきてもらうための強力な取り組みが必要です。新規ユーザーを獲得した後の主な目標は、優れたオンボーディング体験と教育コンテンツを提供し、新規ユーザーを課金ユーザーにすることです。その目標を達成するために、リターゲティングキャンペーンを行うことで、ユーザーをアプリに呼び戻してチュートリアルを完了させたり、プレイを開始させたりすることができます。これらのアプローチにより、プレイヤーにとってゲームをより関連性の高いものにし、その結果、ユーザーのライフタイムバリュー (LTV) を最大化します。

Adjust社のレポートによると、ゲームの場合、ユーザーの最後のセッションからアンインストールまでの平均時間は3日間であるため、ユーザーの保持とコンバージョンの間隔は短くなります。つまり、リターゲティングを開始する目的で非アクティブな状態を7日間放置するというのは、大きなチャンスを逃しているということです。アプリをアンインストールしたユーザーの大部分(40%以下)は、アプリを再ダウンロードすることはないでしょう。リターゲティングキャンペーンの実施は、インストール後の離脱を防ぎ、早い段階でユーザーに関する貴重なインサイトを提供するのに役立ちます。リターゲティングパートナーは、アプリを利用してキャンペーンのセグメンテーション戦略を最適化し、その結果、ROIを最大化し、リテンションを高めます。

« アプリのリターゲティングは、1回限りの戦術であってはなりません。これは継続的なプロジェクトであり、時間をかけてモニタリングし、育成する必要があるのです。 »

ステージ 2&3 - ゲームの成長期 (GROWTH) および成熟期 (PEAK)

リターゲティングキャンペーンは、モバイルゲームの成長期および成熟期に、コンバージョンに至っていないユーザーをリエンゲージメントすることで大きな価値を生み出します。広告主は課金プレイヤーをターゲットにしてユーザーのアクティビティ低下を防ぎ、ゲーム全体のプレイや次の購入を促す広告を表示して、ユーザーのエンゲージメントを維持することができます。

また、リターゲティングにより低コストで大量のアクティブユーザーを呼び戻すことで、アプリのDAU(デイリーアクティブユーザー数)を増加させることができます。リターゲティングでは、特定の行動や価値観を示すユーザーをターゲットにすることができます。例えば、DAUの特定の部分をターゲットにして収益を上げるゲームアプリは、ライフタイムの早い段階で、大口課金ユーザーを一貫してリエンゲージメントするリターゲティング戦略を構築することができます。

成長期に注力すべきことは、ユニークユーザー数の拡大だけではありません。最も重要なのは、常連プレーヤーが興味をなくす前にリエンゲージメントを行い、ゲーム体験を深めてもらうことです。リターゲティングは、このようなユーザーに対して新着情報やまだプレイしていないゲームエリアをお知らせするのに役立ちます。

特定のレベルを完了したユーザーや、初めてアプリ内購入を行ったユーザーを特定すると、このような特定のセグメントにそれぞれ異なる、より適切なメッセージを発信することが容易になります。例として、課金を完了したばかりのユーザーには将来の購入に向けた特別オファーを含む広告が表示され、同時に、特定のレベルを完了したユーザーには、あるレベルの特徴(設定、キャラクター、引き換えられる賞品など)を見せ、継続するようインセンティブを与える広告が表示されます。

ステージ 4 - 定着したゲーム (ENDGAME)

成熟期に入ったゲームでは、リターゲティングにより、離脱したユーザーをゲームに呼び戻すことができます。アプリのリーチ数およびインストール数がピークに達するとユーザーの離脱を減らすことがさらに難しくなるため、焦点は成長から保守および効率化へ移行します。製品のアップデートを効率的に、かつ大規模にユーザーに伝えることは、LTVを伸ばすための鍵です。

ライフサイクルにおけるこの段階では、マーケターはユーザーベース全体とその行動についてより深いインサイトを提供するかなりの量のデータを集めていることでしょう。

定着したゲームは、ゲームの改善、新しいメカニズムやレベルを導入するなど、製品に力を入れる必要があります。その際、ユーザーへのリーチと、新たなアップデートを試すよう促すためにリターゲティングが役立ちます。また、最も価値の高いユーザーである「whales(高額課金ユーザー)」を特定し、リターゲティングすることも非常に重要です。このようなユーザーによってロイヤルユーザーベースが構成され、彼らの相互作用によってゲームの存続と収益性が維持されるのです。

まとめ

リターゲティングは、これらの戦略が完全に業界に浸透していないため、ゲームアプリにとって最大の機会損失の1つとなっています。リターゲティングがユーザー獲得キャンペーンよりも有利なマーケティング戦略であることが示されていることを考えると、リターゲティング戦略に投資し、実施する準備が整っているゲームアプリには絶好の機会があります。

アプリのリターゲティングは、1回限りの戦術であってはなりません。これは継続的なプロジェクトであり、時間をかけてモニタリングし、育成する必要があるのです。最も成功しているキャンペーンは、パフォーマンスデータからのインサイトに対応し、継続的に進化を続けているものです。インクリメンタリティを測定し、リターゲティングの真の価値を知ることは、今やRemergeで簡単にできるプロセスです。アップリフトの測定はアクセス可能なローデータに基づき透過的に行われ、マーケターに最大限のインサイトを提供し、投資をさらに最適化します。