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データプライバシーの変更がアジアのモバイルマーケターに与える影響

このコンテンツは、アジア地域のテックコミュニティとブランドをつなぐTech in Asia Studios によって制作されたものです。

パーソナライズド広告は、モバイル業界では目新しいものではありませんが、消費者データ保護法を念頭におきながら、広告主がターゲットユーザーにアプローチするのは容易ではありません。それだけでなく、広告主には、ユーザーエンゲージメントとアプリ内購入を高めるための実証済みの方法である、消費者のためのパーソナライズされた体験を作りながら、信頼しているプラットフォームが課す規制に準拠するというハードルもあります。

テックジャイアントのAppleは、広告主のマーケティングキャンペーンに影響を与える能力、ひいては広告業界にシフトを生み出す能力を持っていることを示した事例の一つです。2017年、同社は自社のウェブブラウザ Safari でサードパーティーのCookieをブロックするという決定を下し、広告収入が40%も落ち込む事態を招きました。

このプライバシー重視のフレームワークは、これから起こるであろうアプリ内広告の規制領域の変化の前兆でしたでした。

業界全体の激動

2021年の4月、ユーザーのプライバシーをめぐる議論が高まる中、AppleはiOS14.5のアップデートを導入し、広告主がユーザーレベルの情報にアクセスする機能を廃止し、その結果、広告主の収益に影響を与える可能性があることを明らかにしました。

東南アジアでは、Androidユーザーがより多いものの、iPhoneユーザーの方がアプリ内課金に積極的で、1回あたりの平均課金額はAndroidユーザーの6.20米ドルに対し、iPhoneユーザーは12.80米ドルであることがわかっています。

そして、モバイルユーザーがアプリに表示されるATTポップアップを通じて、自身のデータを第三者プロバイダーと共有するかどうかを決定する権限 (オプトイン方式) を持つようになったため、このAppleの決定は、広告業界に波紋を投げかけています

iOS14.5へのアップデートにより、テックジャイアンとの新しいプライバシーフレームワークにおいて、広告主は、詳細を明らかにすることなく広告主にコンバージョンデータを共有するアトリビューションモデルである同社のSKAdNetworkに頼らざるを得ません。たとえば、アプリ内課金を行ったユーザーのコンバージョンデータは広告主に共有されますが、個人IDなどのトラッキング情報は共有されるデータには含まれません。

「これは4%から8%の売上損失をもたらす可能性がありますが、これらの変化・変更にまつわる不確実性が収まれば、時間の経過とともに回復するはずです」と、ベルリンを拠点とするDSPであるRemergeのCEO兼共同創設者であるPan Katsukisは述べています。

これらの変化に直面して、マーケターは、広告キャンペーンを成功させるために、クリエイティブパーソナライゼーションやアトリビューションなど、実証済みの方法を活用する新しい方法を試す必要があります。

« 私たちは、広告枠の最適な入札価格を計算し、ユーザーIDを必要としない方法でプラットフォームを最適化しました »

Remerge, CEO兼共同創設者、Pan Katsukis

変化への適応

東南アジアをはじめとする世界の国々では、No-IDの未来へとシフトしており、モバイル広告の前途は、データ処理能力の向上や広告キャンペーンの効率化を図る革新的なツールの導入など、DSPに成功のための手法の見直しを急速に迫りつつあります。

Remergeは、Appleのプライバシーを中心とした変更を注意深く追っていたことから、すでに2019年末にこの動きを先取りしていました。これは、2017年以来のAPAC地域での存在感とともに、当社がモバイル広告業界の変化を先取りするための影響力を持ち、世界中の広告主が収益を維持または成長させることに貢献していることを表しています。

「過去数年のAppleの動向を追っている人なら誰でも、プライバシーというトピックがしばらくの間、企業戦略の焦点であったことを把握しています」とKatsukisは話します。「このことがモバイル広告にも影響することは早くからわかっていましたので、ポストIDFAの強力なソリューションの開発に力を注いできました。」

昨年、Appleがプライバシーを重視したアプリ環境の計画を発表した時点で、Remergeはこの変化に対する十分な準備を整えていました。Katsukisは、最近ローンチした製品群の例として、アプリ内のユーザー獲得キャンペーン機能を挙げ、費用対効果が高く、ユーザーIDなしで実行できるとしています。つまり、広告主と消費者の双方にとってWin-Winの関係を築くことができるのです。

「私たちは、広告枠の最適な入札価格を計算し、ユーザーIDを必要としない方法でプラットフォームを最適化しました」と彼は言い、DSPの成功は、アルゴリズムがどれほど精緻されているか、プログラマティック・バイイングやRTB 環境においていかに迅速にビッドリクエストを処理できるかに大きく依存すると付け加えました。プログラマティック・バイイングとは、デジタル広告の売買を指し、RTBは広告主がオークションモデルを通じて広告枠に入札することを可能にします。

Remergeのプラットフォームは、広告出稿機会に対する入札処理 (クエリー)を毎秒330万件処理することができ、これは同業他社に比べほぼ50%も多く対応できることがわかっています。

No-IDの未来

広告キャンペーンのパフォーマンスの最適化を強化するために、Appleの SKAdNetworkを補完するインクリメンタリティ測定を利用する広告主が増えるだろうとKatsukisは考えています。

Katsukisは、「広告主はNo-IDの世界での指針を必要としているが、SKAdNetworkは十分なインサイトを提供できないかもしれない」と指摘し、広告キャンペーンのリエンゲージメント効果を測定できることが、ポストIDFAの時代に広告主が必要とするインクリメンタリティであるとも付け加えています。

インクリメンタリティ測定では、特定のキャンペーンの影響をオーガニックなユーザー行動や他のマーケティングキャンペーンの結果と区別して、マーケティングキャンペーンの有効性を評価します。これらの結果は、インストールとリエンゲージメントの指標、つまり、ユーザーが以前に関心を示していた製品やサービスの広告に対するユーザーの露出とエンゲージメントを調べることによって、キャンペーンの真の有効性を適切に示しています。

その一例として、Remergeの インクリメンタリティソリューションがあります。これは、広告主がリアルタイムデータとユーザー保持数にアクセスできるようにしながら、広告費の価値をさらに証明するために開発されたものです。

これらのインクリメンタリティ測定の結果は、最終的には、iOS14以降の時代において、マーケターがより効果的で創造的なパーソナライゼーションキャンペーンを展開できるようにするというより大きな目標につながるでしょう。

これに対してKatsukisは、今後のパーソナライズド広告はコンテクスチュアルレベルで行われ、ユーザーがどの都市にいるか、どの時間帯にいるかといった集計データから導き出されるようになるのではないかと話しています。

「例えば、フードデリバリー企業が、潜在的なユーザーがいる都市で、ランチクーポンが掲載されたモバイル広告を表示するようなものです。」と彼は付け加えています。

広告主は、ターゲットユーザーにハイパーパーソナライズド広告を配信するために、プログラマティック広告への投資という試行錯誤を長い間続けてきていることを考えると、新しい代替キャンペーンを試すことに躊躇するのは自然なことであると、Katsukisは理解していますが、それが障害になることはないはずだとも話しています。

「マーケターがこのように躊躇しているため、No-IDの在庫は短期的には安価になり、より多くのキャンペーンを実施しても良い結果を得ることができるようになるでしょう」とKatsukisは言います。「Appleが前進する中、データ保護に準拠したソリューションの最前線に立つために、マーケターとしてこうした動きをウォッチすることが重要です」。

REMERGEについて

Remergeは、高いパフォーマンスかつプライバシーに準拠した、最先端のアプリマーケティングキャンペーン向けプログラマティック広告プラットフォームです。Remergeは科学的根拠と透明性の高いコミュニケーションに重点を置き、信頼できる結果を提供し、アプリの成長を後押ししています。

詳細については、こちらよりお問い合わせください