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ノーリテンション、ノーゲイン: アプリリターゲティングが経済危機でも有効な理由

経済が低迷している今、マーケターはキャンペーンを中断しています。大量解雇、ウクライナ戦争、Covid-19の長期にわたる影響、金融市場の不安定さなど、パニックレベルは当然のことながら高く、多くの企業がマーケティング費用を削減しようとするのは容易に理解できることでしょう。日用品やサービスの価格が上昇しているため、消費者は気軽な買い物や突発的な買い物をする際に、より慎重になる傾向があります。

しかし、予算を削減する前に、マーケターは利用可能なすべての機会、特にモバイルでのチャンスを探る必要があります。この記事では、アプリ内リターゲティングの価値と、なぜ景気後退期にユーザーを維持することが収益増加の鍵になるのかについて考察しています。

マーケティング予算の削減は、なぜ大きな損失につながるのか

2008年、世界は不況に見舞われましたが、その経験から何を学んだのでしょうか。注目すべき点は、この時期にメディア投資を増やしたブランドの60%が、売上を17%増加させたことです。

とはいえ、同じように消費し続けていればいいというものでもありません。Global Recession: The Insights You Need from Harvard Business Review 2021によると、"[...] マーケティング費用を維持しながら、新しい状況に合わせてその費用を再配分する企業は、マーケティング投資を削減する企業よりも一般的に良い結果を出しています。

そのため、今日のマーケターは、消費者行動や業界のトレンドに適応して、景気後退期に成功する必要があります。アプリマーケターにとって、現状は新たな扉を開くものであると言えます。

景気後退期におけるアプリマーケティングのチャンス

不況前の消費に向けたブランド認知度の向上

周りが静かなときにノイズを出すことは、目立つということです。ブランド認知の構築は循環プロセスです。たとえ予算を削減、あるいは予算の再配分を検討している場合でも、常にユーザーの心の最前線に自社アプリを置くことを心がけてください。

景気後退の結果、ユーザーの支出が減少しても、購買習慣が景気後退以前の水準に戻ったときに備えて、ユーザーは自社のアプリの存在を知っておく必要があります。HubSpotの調査によると、米国の消費者の25%がこの不況下でより意識的に消費するつもりであり、30%が消費を減らすつもりであることが分かっています。

今こそ、エンゲージメント戦略を考える絶好のチャンスです。例えば、リターゲティングは、ブランドリコール(ブランド再生、消費者が自社ブランドに慣れ親しみ、将来的に自社ブランドと交流する可能性が高い状態)を確立するのに有効です。オーディエンスにブランドを認識させることで、彼らが行動を起こす準備ができたときにコンバージョンに至る可能性を高めることができます。

競合が少ない状況を利用する

競合が少ないということは、自社アプリにとってより多くのチャンスがあるということです。他社が広告出費を抑えたり、予算配分を考えたりしている間に、市場を独占してしまいましょう。

Analytic PartnersのThe Rules of Recession-Proofingによると、同規模の競合他社がマーケティング投資を2倍にした場合、自社のビジネスチャンスの15%を失う可能性があるため、この点について迅速に対応することが重要です。

« アプリビジネスは、ユーザー獲得に頼るだけではロイヤリティを高めることはできない »

Steve Massaro, Director of Channel Alliances, Remerge

プログラマティック広告の追加インベントリを活用

また、需要が減少すると、プログラマティック広告のインベントリが追加で解放され、インプレッション単価やクリック単価が低下する可能性があります。

米国に目を向けると、当社のプラットフォームのデータによると、1000インプレッションあたりのコスト(CPM)は2022年第3四半期以降減少傾向にあり(7月から11月で見ると全体で43%減)、より低いコストでアプリオーディエンスにアプローチできるまたとないチャンスと言えます。

出典:RemergeのバイイングCPM(Cost Per Mille)データ、2022年7月~10月期

金融危機の時代にはアプリ内リターゲティングが有効

企業は、景気後退とそれがもたらす機会を利用して、新しいマーケティング戦略を試したり、投資したりすることができます。RemergeのチャネルアライアンスディレクターであるSteve Massaroは、The Drumに寄稿した「2023年以降もクライアントを維持するためには」という記事の中で、なぜ試行錯誤のユーザー獲得(UA)キャンペーンだけに頼るのは誤りであるのかについて説明しています。

「モバイルキャンペーンにリターゲティングを組み込むことで、予算を賢く使ってフルファネルに取り組むことが、今ほど重要なときはありません。アプリビジネスは、ユーザー獲得に頼るだけではロイヤリティを高めることはできません。アプリやウェブサイトを訪れる人の大半は、追加のタッチポイントなしにサインアップしたり購入したりするとは限らないため、すべての予算を獲得やブランド重視の広告に振り向けることは大きな限界になることが予想されます。優れたリターゲティング戦略を持つことは、既存ユーザーを維持し、その価値を最大化するために極めて重要なことです。」

では、なぜ熟練のアプリマーケターがリテンションベースの戦略をとっているのか、また、自社でどのようにリテンションを導入できるのか、詳しく見ていきましょう。

« 早期のアプリ内エンゲージメント戦略は、UA主導のアプローチよりも大きな投資対効果を得ることができる »

早期エンゲージメントキャンペーンで新規ユーザーを獲得

経済危機のさなか、新しく獲得したユーザーを維持することは不可欠です。アプリにユーザーを惹きつけるためにすでに投資しているのですから、その労力(と予算)を無駄にして、ユーザーをエンゲージできず、アンインストールさせるようなことがあってはなりません。

多くのモバイルビジネスでは、ユーザーがアプリをインストールしてから最初の7日間でリテンションが大幅に低下し、モバイルゲーム業界のいくつかのカテゴリーでは、4日目までにユーザーのほぼ半数を失っています。ユーザーにアプリをダウンロードした動機を最初から意識させることで、ユーザーの興味を維持し、課金ユーザーへとファネルを導くことができます。

オーガニックコンバージョンのカニバリゼーションを避けるために、アプリのインストール後、直近7日間など、設定した時間枠内にアクティビティを示さなかったユーザーを除外することができます。モバイルゲームでは、これらの最近インストールしたユーザーを除外してもセグメントサイズが大きく減少することはなく、マーケターはアプリを使用しているユーザーをリターゲティングできることがわかっています。当社のゲーム関連クライアントの80%以上が、アプリ内リターゲティングキャンペーンの非アクティブ期間を7日未満に設定しており、約10%が非アクティブ期間をゼロ日としています。

調査によると、リターゲティングのコストは、新規ユーザー獲得にかかるコストの数分の一程度です。したがって、マーケティング予算が限られている場合、アプリ内での早期エンゲージメント戦略は、UA主導のアプローチよりも大きな投資対効果をもたらす可能性があります。

アプリ内のロイヤルティプログラムで既存ユーザーを育成

最もエンゲージメントと収益性の高いユーザーを育成することは、長期的には安定した収益源となり、大きな利益をもたらします。今日、多くの人々が、顧客との価値ある関係を優先させるブランドを求めています。実際、57%の消費者は、労力を惜しまずつながりを構築してくれるブランドへの支出を増やすと回答しています。

ロイヤルティプログラムは、ユーザーのエンゲージメントを高め、アプリに戻りたくなるきっかけを与え、ひいてはユーザーとの価値交換を成立させるのに役立ちます。アプリ内のリターゲティングキャンペーンでは、割引キャンペーンや新製品への早期アクセスを促し、パーソナライズ化されたレコメンド商品でこの広告体験を調整することができます。下の2つの図は、その方法を示すクリエイティブな広告例です。

アプリ内のロイヤルティプログラムで、ユーザーをアプリに呼び戻すクリエイティブ例

コンバージョン率を高めるために、きめ細かいユーザーセグメントを作成

きめ細かなセグメンテーション戦略は、既存ユーザーに特定のプロモーションを提供し、コンバージョンや追加購入の可能性が最も高いユーザーに費用を振り向けるのに役立ちます。まず、ユーザーベースを以下のようにセグメント化することを検討します。

  • 高額課金ユーザー・購入者
  • 継続的な課金ユーザー・購入者
  • エンゲージメントの高いユーザー(消費額は多くないが、アプリ内での行動が活発な層)

そこから、非アクティブ期間や課金・購入頻度などの基準でユーザーを区切ることで、サブセグメントを試すことができます。例えば、ある大手ゲーム会社のクライアントは、リターゲティングキャンペーンで次のようなセグメンテーション戦略を使っています:最近インストールした内課金したユーザー、課金していないユーザー、アクティブユーザー、新規インストールしたユーザーで0-2日、2-8日の特定の時間枠活動したユーザーなど。

価値交換の確立

ユーザーとの価値交換がこれほど重要な時代はありません。しかし、微妙なバランスが必要です。広告トラッキングのオプトアウトやアンインストールに至るまでユーザーを侵食したり、追い込んだりすることなく、ユーザーがアプリに戻ってくるよう促す新しい方法を必ず見つけてください。新規ユーザーの獲得に全予算を割くことは考え直しましょう。その代わりに、十分にエンゲージされた既存ユーザーとのつながりを構築し、コンバージョンすることに集中しましょう。