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アプリリターゲティングとASO対策を並行して行うメリット

変化の激しい現代のモバイルアプリ市場において、アプリの成功を左右する最も重要な要因は、ユーザーの獲得リテンション (維持) です。アプリストア最適化 (ASO) は、アプリの集客やユーザー獲得に役立ち、リターゲティングは獲得したユーザーを維持する上で重要な施策です。今回の記事では、ASOとリターゲティングとは何なのか、アプリビジネスにROI (投資収益率) をもたらすにはどのような戦略を打つべきなのか、そしてリターゲティングの効果を高めるためのASOツール活用方法についてご紹介していきます。

ASOとリターゲティングとは?

アプリストア最適化は、アプリストアにおけるアプリのプレゼンス (存在感) を決定します。もっと簡単に言うと、ASOはアプリのダウンロードや活性化を促進させることを目的に、アプリストアでの可視性を改善し、新規、既存または過去にアプリをダウンロードしたことがあるユーザーに向けてアプリを魅力的に見せる施策が含まれます。

そして、リターゲティングは、以前にアプリを利用したことのあるユーザー (休眠顧客) に対するアプローチで、ASOの効果を補完する役割を果たします。具体的には、対象ユーザーの過去の行動や興味・関心に関連する広告を提供することで、再び彼らの興味を引き出しアプリを再度利用してもらうように促し、エンゲージメントを深めたり、コンバージョンを促進させることを目的としています。

さて、ASOとリターゲティングの基本的な側面を理解したところで、これら2つの施策を組み合わせてどのようにROIの改善に繋がるのかを詳しく見ていきましょう。

ASOとリターゲティングでROIを向上させる方法

ASO対策を行いアプリのオーガニックな可視性を高め、さらにリターゲティングで休眠ユーザーを掘り起こし、コンバージョンを促すことで、アプリのROI最大化につながるシナジー効果を創出することができます。

  1. ユーザーが抱く期待感と実際の顧客体験にずれが生じないよう、一貫性を持たせる:ユーザーの興味・関心を優先的に考慮することはシームレスな顧客体験を提供する上では欠かせません。これを実現するには、ASOを担当するチームとリターゲティングを担当するチーム間での円滑な連携が必要です。例えば、リターゲティングチームが休眠顧客を掘り起こす対策として、アプリやゲームの新機能を宣伝するのであれば、ASOチームは、そのユーザーセグメントに訴求するようなクリエイティブを使ったカスタムページを作成することで一貫性を持たせることができます。
  2. アプリの評価・レビューを深く分析する:レビューと評価は、アプリの実際の利用者の声やフィードバックなどのインサイトが得られる貴重な情報源です。レビューによく出てくるキーワードを分析することで、ユーザーの関心事やアプリに対する不満、最新アップデートの受け入れ情報などがわかります。これにより、アプリマーケターはユーザーのニーズやペルソナをより正確に理解し、広告クリエイティブやコピーを作成するに役立つヒントを得ることができます。ユーザーがアプリを気に入るポイントを押さえることで、どの特徴を広告で強調すべきかが明らかになります。AppTweakの「レビュー管理」機能などといった高度な分析ツールを活用することで、データを基にユーザー情報を詳細に把握し、ニーズに訴求したリターゲティング広告を戦略的に作成するアプローチをとることができます。レビュー・評価の重要性について詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください!
  3. ユーザージャーニーを理解する:リターゲティングチームは、アプリ内でのユーザーの行動を分析して、高いLTV (Life Time Value = 生涯価値) を持つユーザーと彼らのインタラクションを特定するでしょう。この情報をASOチームとすれば、カスタムプロダクトページ(CPP) などの作成に役立てることができます。リターゲティングのインサイトを活用して、狙いたいユーザーにとって関連性の高いスクリーンショットを用いたCPPを作成することで、インストール数やコンバージョン率を高めるだけでなく、より適切なユーザーに対してアプリストアでの可視性を高めるためにキーワード戦略を強化することができます。

リターゲティングの効果を高めるためのASOツール活用方法

考え抜かれたリターゲティング戦略とASOツールを組み合わせることで、ユーザーの継続利用率向上やコンバージョン率の向上が実現され、最終的にアプリを成功に導くことができます。

カスタムページでエンゲージメントの再活性化を図る

カスタムプロダクトページ(CPP、App Store)やストアのカスタム掲載情報(CSL、Google Play)は、デフォルトのアプリページとは異なる機能やコンテンツ、オファーを強調するために作成できる特別なページです。マーケターはこれらのページのバリエーションを活用して、異なるユーザーセグメントをターゲットにすることができます。

マーケターは、CPPやCSLを利用して、ユーザーにアプリ内メッセージをカスタマイズしたり、優れたレビューを披露したり、新機能を強調してユーザーをアプリに呼び戻すことができます。また、アプリのビジュアルやディープリンクを使用することで、ユーザーはアプリで気に入っていたものを簡単に再発見でき、同時にマーケターは、パフォーマンス指標を追跡しながらキャンペーンを継続的に最適化することができます。

EC系アプリを例に考えてみましょう。ランニングシューズをショッピングカートに追加して放置しているユーザーへのリターゲティングを目指したいとします。ここでマーケティングチームが何をできるかというと、これらの商品の広告をユーザーに表示させ、この商品を強調したCPPに誘導することです。このようなカスタマイズされたアプローチで訴求し、ユーザーの興味を刺激することで、アプリへの復帰のきっかけを作り、ユーザーエンゲージメントやコンバージョンを促進することができます。

App内イベント (iOS) やプロモーション用コンテンツ (Google Play) を最大限に活用する

App内イベントやプロモーション用コンテンツは、ユーザーを維持し、長期的なライフタイムバリューを創出するのに優れた機能です。これらの機能を活用することで、アプリ・ゲーム開発者は、アプリ内でのイベントやキャンペーン、特典やアップデート情報などのお知らせをアプリストア内で宣伝することができます。これにより、アプリ内のゲームプレイ、報酬やイベントにリアルタイムで調整を加えながら、新規ユーザーを獲得し、既存ユーザーの参加を促し、休眠ユーザーを再び呼びかけることができます。例えば、アプリ内でイベントを開催中にエンゲージメントの低下が見受けられた場合、ユーザーに興味を持ってもらえるよう、イベントの仕組みや報酬などに調整を加えることで、リターゲティングの効果を高めることができます。

iOS15のApp内イベントは、セグメントごとのターゲティングオプション (新規ユーザー、アクティブユーザー、休眠ユーザー) も提供しています。これらのオプションを戦略的に活用することで、リターゲティングや再エンゲージメントに適したユーザーを狙うことができます。

まとめ

アプリストア最適化とリターゲティングを組み合わせることで、アプリを成功に導く様々なメリットが生まれます。まずASO対策を行うことで、アプリストア内での可視性を高め、ダウンロードを促進し、アプリを探すところからダウンロードして利用するに至るまで一貫性のある体験を提供し、ユーザーの満足度を高めることができます。そして、さらにリターゲティング施策を行うことで、アプリの使い勝手や機能に再度注目させ、エンゲージメントを維持することができます。この2つの施策が作用し合うことで、ユーザーの獲得やリテンションを促進し、競争の激しいアプリ市場において長期的な成功をもたらすようなシナジー効果が生まれます。

ASOとリターゲティングの戦略を継続的に改善し、同時に活用することで、アプリのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。CPPやCSL、App内イベントやプロモーション用コンテンツは、過去にアプリに興味を示したユーザーに向けて関連性のあるコンテンツや体験を提供するのに効果的なツールです。これらを活用することで、見込み客をアクティブユーザーとして変換する可能性や、後に行うリターゲティングキャンペーンの効果を高めることができます。

ASO対策やAppTweakについての詳細や成功事例については、当社のHead of ASO、Simon Thillayがゲストとして参加させていただいた、RemergeのApptivateポッドキャスト (※英語) をぜひご清聴ください。