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セグメンテーションを成功に導く5つのポイント

モバイルマーケティングを成功させるためには、データの活用が欠かせないということは、何度も耳にしたことがあるでしょう。しかし、成功させるためにはどうすればいいのでしょうか?

データを活用することで、リターゲティングを含む様々なキャンペーンが可能になります。Adjustの調査結果によると、新規ユーザー獲得と比較して、リターゲティングキャンペーンの対象となったユーザーは、最初の30日間で37%も多く収益を生み出しています。 しかし、ノイズをコンバージョンに変えるには、すでに持っているデータを活用する必要があります。そこで、本ブログでは、セグメンテーションを介したその方法をご紹介します。

セグメンテーションは通常、ユーザー行動とユーザー属性の2つに分けられます。最近行われたインタビューで、ロンドンに拠点を置くP2P (peer-to-peer) ショッピングアプリDepopのHead of Digital MarketingであるYoann Pavy氏は、コミュニティマーケットプレイスが、行動アプローチの応用である興味関心または購買行動に基づいてユーザーをトライブ毎にセグメント化する方法を説明しました。属性アプローチでは、デバイス、ブラウザ、OSなど、モバイルマーケティングに特化した識別子を使用することになります。

それでは、セグメンテーションを始める時や、リターゲティングキャンペーンでセグメンテーション分析を導入する時に欠かせない5つのポイントを紹介していきましょう。

アプリをガイドとして活用する

では、市場セグメントとターゲットの特定はどのように始めればよいのでしょうか。リターゲティングの計画を立てる際には、価値の高い、あるいはエンゲージメントの高い行動を促すことから始めましょう。「アプリでユーザーに最初にやってほしい5つのことは何だろう?」と自らに問いかけてみてください。その答えは、セグメンテーション戦略の最適なブループリントを提供してくれるでしょう。

しかし、一旦ブループリントを作成したら、実際にリターゲティングを行うのに適切なタイミングを把握するにはどうすればよいのでしょうか。そんな時に役立つのが、App内イベントトラッキングです。

「イベント」とは、インストールを起点に、商品ページの閲覧から登録完了まで、アプリ内で行われるトラッキングしたいあらゆるアクションのことです。 モバイル計測パートナー (MMP) を利用すれば、ユーザーの行動を把握し、ユーザーを目標に導けたかどうかを検証することができます。ユーザーの行動に関するデータは、インストール後のユーザーの行動や離脱のタイミングについて有益なインサイトを提供してくれます。

このデータは、ダイナミックプロダクト広告 (DPA) の要件となります。DPAは、ターゲット層に関連するクリエイティブをユーザーに提供し、アプリのどこにユーザーを誘導したいかを正確にディープリンクできるようにします。

セグメンテーションのための戦略ゲーム

セグメントを作成する際には、いくつかの重要なコンセプトを念頭に置く必要があります。これらの市場セグメンテーションの例を、自社のアプリと関連付けて考え、ペイドメディアとオウンドメディアのどちらのアプローチが理にかなっているのかを考えてみましょう。

  • 非アクティブユーザー:すでにインストールされているアプリをユーザーに思い起こさせることが重要で、このセグメンテーションの目的は、エンゲージメントとリテンションを高めることです。
  • アップセル:ユーザーには、新しいアプリやアップデートだけでなく、(可能であれば)メンバーシップアップグレードのメリットなども表示されます。
  • ヘビーショッパー(お得意様):何度もコンバージョンにつなげたり、消費意欲の高いユーザーが興味を持ちそうな新商品をアピールしたりすることができます。
  • コンバージョン:ユーザーのカートが満杯であっても、登録イベントが完了していなくても、リターゲティングには、ユーザーをアプリに呼び戻し、コンバージョンポテンシャルを高める力があります。

しかし、戦略は必ずしも一般的なものであるべきではありません。特に、あなたがビジネスを展開している業種について考えてみてください。ビーチ用品に特化したライフスタイルブランドのマーケティングを行う場合、ユーザーは自分の住んでいる地域の天候に関する最新情報の購読(サブスクリプション)に興味を持つかもしれません。会員登録後や商品表示ページの閲覧後に、この機能を通知することで、アプリへのエンゲージメントを高めることができるかもしれません。

デザイナーズソックスやシューズを販売するアプリは、特定のブランドのアイテムを購入したユーザーのオーディエンスグループを作ることができます。このリストをターゲットにして、カタログからそのブランドの他の商品をチェックするよう促す広告を有料で配信することで、一度離脱したユーザーを再び呼び戻すことができます。

タイミングがすべて

これまで見てきたように、セグメントは、ユーザーがアプリを使う際に行う最初のステップが何かを教えてくれますが、ユーザージャーニーの残りの部分についてはどうでしょうか?アプリやマーケティング戦略のあらゆる局面でセグメンテーションを活用するには、どうすればよいのでしょうか。

ファネル分析は、ペインポイント(いわゆる弱点)を特定するのに優れた方法で、同時にリターゲティングのチャンスも与えてくれます。ファネルのマーカーに対応するApp内イベントトラッキングを設定した場合、次のステップを完了するためにユーザーに戻るよう促すコマンドを追加することも検討してください。ユーザーのファネル内の位置に基づいて高度にターゲティングされたオーディエンスグループを作成することで、離脱率やモバイルアプリリターゲティングがコンバージョン率に与える影響を容易に分析することができます。

そして、ドロップオフや離脱率の高さなどのイベントを特定し、最適化することができるのです。

その実例として、無料の仮想フリーマーケットを運営するWallapop社が、セグメンテーションを利用してユーザーを細分化し、それぞれに適した戦術をとっていることを紹介します。未登録ユーザー、ローアクティブユーザー、休眠ユーザー(その他多数)のセグメントを作成することで、わずか8週間でCPXのコストが大幅に削減されました。

お金の流れを追う

ユーザージャーニーによってメッセージのタイミングが変わるだけでなく、ファネルのどこにいるのかによって、どのようにリターゲティングを行うべきかが変わってきます。例えば、ファネルの上部では、より一般的なマーケティングアプローチが最適かもしれませんが、ユーザーのライフサイクルが進み、ファネルの下の方に行くにつれて、より精度の高いアプローチが必要です。コンバージョンに近づくにつれ、よりターゲットを絞ったアプローチが功を奏します。

カスタマー分析のフレームワークとして最も試されているのが、RFM分析(Recency、Frequency、Monetary)です。RFM分析は、Jan Roelf BultとTom Wansbeekが1995年のMarketing Science誌で初めて発表した、行動セグメンテーションマーケティングの一例です。RFM分析におけるRecency(リーセンシー)は、ユーザーが最後にブランドと接触してからの時間や期間をモニタリングするもので、ユーザーが最後に行動したのはいつか、最後に購入を行ったのはいつなのかといった点に着目します。

Frequency(フリークエンシー、あるいは頻度)とは、ユーザーが自社のアプリとどの程度の頻度でやりとりしているかを調べるものです。毎日アプリを使用するユーザーなのでしょうか?ここでは、アプリを1、2回しか起動しないユーザーとロイヤルユーザーを区別することが重要です。

最後に、ユーザー行動における購入金額 (Monetary) の価値を考慮し、高額購入ユーザーと低額購入ユーザー、またはまだ閲覧しかしていない初回購入ユーザーを分けます。

非常に単純な例として、それぞれにおいてユーザーを3つのグループにセグメント化してみましょう。Recencyでは、直近のセッション、やや直近のセッション、非アクティブの3つ、Frequencyに関しては、頻繁に使用するユーザー、やや頻繁に使用するユーザー、あまり使用しないユーザーの3つ、Monetaryにおいては、大金を使う人、中程度の人、お金を使わない人の3つなどに分けられるでしょう。ユーザーは、これら3つの特性を自由に組み合わせることができます。

ユーザーのタイプによって、アプローチ方法は異なります。セッションは最近であるものの、以前は頻繁に利用し大金を使っていたユーザーと、一度アプリを開いただけで何も買わずに離脱したユーザーとでは、ターゲットにする方法が大きく変わります。

他にも行動セグメンテーションの例はありますが、RFM分析はその手始めとしては良いのではないでしょうか。

RFM分析はセグメンテーションを作成する上で考慮するのに役立つだけでなく、いつ手を打つべきかの良い指針にもなります。ユーザーのRFMが低下し始めたら、それは施策を実行するのに絶好のタイミングです。これまで頻繁に利用していたユーザーが突然利用しなくなった場合、リターゲティングを実施することで、そのユーザーをアプリに留めておくことができます。 ユーザーとの関係を良好に保つことは、離脱率を低く保つことにつながります。

セグメントAB テスト

また、セグメンテーションを行うことで、キャンペーンやクリエイティブ、戦略のA/Bテストが可能になります。オーディエンスセグメントを作成したら、ユーザーを2つのグループに分け、それぞれのグループに対して異なるクリエイティブでリターゲティングキャンペーンを実施してみてください。この実験によって、クリエイティブが特定のユーザーの間でどのように作用するかを確認することができ、今後のキャンペーンに有益なインサイトを提供することができます。

A/Bテストを賢く使うのに適しているのは、インクリメンタリティを計測するときです。パフォーマンスマーケターは、キャンペーンの付加価値を計測したいことがよくあります。ハードサイエンスの世界では、影響を計測する理想的な方法は、ランダム化比較試験です。それと同じように、インクリメンタリティでは、数学的なアプローチで増分リフトを計測し、コントロールグループに対するマーケティングキャンペーンの真の影響を示すことができます。

まとめ - キャンペーンに工夫をこらそう

セグメンテーションの強力な利点は、戦略を扱う際にコントロールが可能なことです。それは、ユーザーを惹きつけるための、もうひとつのツールなのです。セグメンテーションのオプションを検討し、自社のアプリにどのように適用するかを考えるプロセスも、ブレインストーミングの有効な練習になります。一般的な情報から具体的な情報まで、自分の生活に当てはめて考えてみると、自然とアイデアが湧いてくるものです。

モバイルリターゲティングは、いかに創造的に活用するかによって結果が決まる強力な戦略です。セグメンテーションは、キャンペーンのパフォーマンスを向上させるだけでなく、成功の評価とイテレーションに必要なデータドリブンな指標を提供します。

キャンペーンがイベント連動型であれ、行動に基づくものであれ、検討すべき有効なオプションはたくさんあり、その中には、自社のブランドをどう見ているか、何を目標としているのかを問うものもあります。しかし、このようなハイレベルな質問こそが、私たちがマーケティングを行うようになった理由なのです。

カスタマイズされたキャンペーンを作成する際は、多くの困難を取り除くことで、マーケターはそのプロセスに悩まされることなく、より戦略に集中することができるようになるのです。